説明
<案 内>
※新たに「三度目の往生」の章が加わった増補新版です。
表題の『念仏の雄叫び』ほか、『罪悪観と無常観』 『法悦の仮面』 『救済の予定概念』など、8編の法話を収録し、 真宗の聞法の要点について述べられる。真宗入門に最適な『親指のふし』の続編ながら、長年、求道に苦悩する人々を開眼へと導く、最適の指南書。
<目 次>
○罪悪観と無常観・・・・・・・・p5
求道の具体化/仏法の入門/地獄に落ちるしかない/二つの人生観/地獄極楽の存在/善と悪について ・仏道修行が善/罪福について/信と疑いについて/黒い心と暗い心/二つの心の関係/殺生について/ 心の中の表現/言葉から反省する/刹那無常と一期無常/無常観の実際/なれを斬る/他人の死に転化する/敵の白刃を奪う/ 無常観・罪悪観を支えるもの/求道の具体的方法論
〇孤独を越えて・・・・・・・・・p47
孤独性との直面/移りゆく愛情/愛情のもろさ/体にそむかれる/金の執着/四か所の往復/墓場の先はどこか/ 孤独観に立って/必死に頑張る/征平のテレビ/己を賭けよ/息子の廻心/腹底を目にして叫べ/道あり、得道の人あり /命のうちの勝負/腹底をぶちまけよ
○法悦の仮面・・・・・・・・p68
仏の光と自分との関係/三つの照徳/照育ということ/如来の本願/照破ということ/信前と、信一念と、信後/照護ということ /智慧門ということ/後生のすくい/お育てを知る智慧/自力のはからい/自分の位置づけ/法悦の仮面を捨てよ
〇変わる心、変わらぬ心・・・・・・・・p89
“お味わい”ということ/「目はかすみ」の歌/母の思い出/唾液による発ガン物質退治/変わる心と変わらぬ心/ 機無・円成・廻施/至心釈の意味/変わりめのある信心/廻向力の偉大さ/「まこと」との出会い/廻向と廻心/人生の意義
〇仏願の生起本末・・・・・・・p114
「其の」とは何か/本願の名号/其の名号を聞く/「名号のいわれ」を聞く/聖人のご親切/値切りたい心/仏法を値切る心/ 仏願の生起と本末とは/機の真実と、法の真実/南無阿弥陀仏の仕掛け/私が張本人/罪業の因も果も引き受ける/二種深信について/ 機の深信の内容/法の深信の内容/信心は二番手
〇救済の予定概念・・・・・・・・・p143
救済の予定概念は、自力心/痴無明と疑無明/真宗でいう疑無明/黒い心/白い心/暗い心/暗い心の二面/暗い心は、十劫も/大悲の血涙 /宿善を捨てる/調熟の光明/明信仏智/信心決定病/二つの予定概念/仏智疑う罪深し
〇念仏の雄叫び・・・・・・・・・・p172
仏法には明日なし/自分の死/鬼との問答/朝に道を聞かば/今越えるのだ/人にも伝えたいこの喜び/高らかな叫び/魂の道しるべ/ 遠くを探すのでない/独生独死の人生/先手の南無阿弥陀仏/「私」一人に聞く/地獄行きの種つくり/共食いの生活/非常なる喜び/ 呼び声の出場所/何が不足か!/いいものを探すな/現世信仰を恥じよ/仏敵は自分だ/業魂の底からの呼び声
〇三度目の成仏・・・・・・・・・・p202
法然上人の三度の往生/釈尊ご出世の本懐/第十八願のこころ/本師本仏/『正信偈』について/世自在王仏の所にて/大経の五存七欠/ 私の罪業調べに一劫/最高の願を建立される/初会の広大会/永い流転輪廻/三度目の成仏/弥勒さまと同じ/至心に廻向せしめたまへり/ 南無の心/いまに十劫をへる/私と阿弥陀さまと向かい合う/二つのもらいもの
〇あとがき・・・・・・・・・・p233
〇増補新版にあたって・・・・・・・・・・p235
(女性、兵庫県) –
私は、
ああ ありがたや、ありがたや
弥陀の本願 ありがたや
こんな私がほれぼれと
箸にも棒にも かからない私が
ほれぼれとする
喜ぶ本願 ありがたや
です。
会社なんかだと、差別や、やれ条件だ、とかある。
でもこの弥陀の本願は、差別もなく無条件で善人も悪人も救って下さる願。会社などとは次元が違いますよね。
(50代、女性、京都府) –
無条件降伏するのです。
「雑行雑修、自力の心をふり捨てて、後生たすけたまえと弥陀をたのめ」と、 なんと短い言葉の中に、こんな御親切なお救いを、ゴッソリと入れ込んでお示し下さったお言葉は、 ほかにはないでしょう。「後生は引き受けた」、このお心のほかに何を聞くのか。 これが南無阿弥陀仏の「おいわれ」を聞かせてもらうことであります。
―珠玉の御法話集です。―
(20代、男性、岐阜県) –
僕は「信」に悩み、ある師にであった。一番最初に、この書をわたされた。
そして、場所、時間を忘れて一心にこの書にかぶりついたが、「信」の世界にはいたら無かった。
僕はこの書に念仏を探していた。しかし、それでは念仏は見つからない。
「念仏」が私に向けて雄叫びをあげている。その心を聞かなければ、「念仏」にはであえません。
どうぞこの雄叫びを聞いてください。
(20代、男性、京都府) –
浄土真宗の入門編としても読める、分かりやすい言葉で書かれた本です。
しかし雲をつかむような理論書ではありません。
文章を通して、著者が救われた阿弥陀仏の体温が伝わってきます。
あくまで死後の問題(後生の一大事)を正面から扱った実践書。
追加された「三度目の成仏」に、
「私が仏にならせてもらう時に、やっと仏さまは三度目の成仏をされる」という文が。
溜まりに溜まった垢をこすり落とすように、自分自身の信心の沙汰をさせていただける章でした。