療養と求道 （現代仮名遣い版）

＜案　　内＞

親鸞聖人御誕生八五〇年の記念事業の一環として、伊藤康善先生の『療養と求道』を約八十年ぶりに、現代語仮名遣い版として再版いたしました。昭和16年11月の「華光」誌創刊から約一年後（昭和17年12月）に、本書の後記が記されています。戦時下の制約の中で今日では不適切な表現もありますが、真宗臨床学の立場から、獲信の心境や真宗の求道が如何なるものか、真宗安心の肝要が明示さた名著であることに変りありません。
第二編「太陽と如来」、第三編「宿善の実の熟する頃」、第四編「華光道場物語」は、伊藤先生が宗教部長を務めておられた結核療養所での病床説法や求道、廻心の体験の具体例が示されます。第一編「療養と求道」、第五編「安心道しるべ」では、その具体的事例に対しての概念的な説明が加えられています。まさに、今も華光会に流れるご安心の核心、ご教化の原点が、本書に示されております。どうぞ、華光に流れを汲む皆様は、ご熟読の上、信の世界に踊り出る指南書として、またご安心の腹を造っていただく指針となればと念願してります。

＜目　次＞

『療養と求道』
第一編　療養と求道…p10
第二編　太陽と如来…p47
第三編　宿善の実の熟する頃…p63
第四編　華光道場物語…p91
第五編　安心道しるべ…p165
校正を終わりて 伊藤康善…p211