説明
<案 内>
単なる法話の解説集と違い、著者自身や、周りの人々の素晴らしい信仰体験が、そのまま仏法讃談の声となっている。真宗の信心が、直ちに力強い生活力となり、生きて働いている実感が伝わる好著。道を求める人の指針となる法話集として、NHKラジオ「こころの時代」でも取り上げられる。
<目 次>
はじめに
(1)自己を知る・・・・・・・・・p1
黒人の子供/自分のワクぐみ/父と母の恩/ご恩という文字/「おかげさま」/罪悪観と恩/隣家の破れ障子/ まぬけ顔/鵜飼いの教訓/自分から解ける/養子の家出/息子の極道/死んだらやめられる/昼間、星が見える/ 親の恩がわかるか/仏を焼きつぶす/老婆の実践/真の自己を知る
(2)信心の落とし穴・・・・・・・・・p30
死んでも仏にはなれぬ/お経は死者のためでない/葬式仏教の現状/読経と説教の意味/生きているときの葬式/ 救われたつもり/因縁生のことわり/悪いのは私だった/裏返しにした自分/二つの疑問/私の求道の動機/一粒の米/ 信心の落とし穴/調熟の色光/中途で止まるな/生きるための宗教か/後生は、とふみ出せ/法悦の出場所
(3)苦労をこえる仏法・・・・・・・・・p52
二度と会えない/驚きをたてよ/九死に一生の毎日/法を聞けぬ時代/食糧難のころ/ネンブリの思い出/大声で念仏/ 苦労しても、仏法は聞けない/如来さまの御苦労/後生一大事の苦労/こどもの入信/苦労を超える/この世は利息
(4)種々の方便・・・・・・・・・・p71
兵役と米国青年/仏法を聞いておくれ/勤行時にあばれる子供/いっしょにお念仏/ボクにまかしとき/種々の善巧方便
(5)求道の要点・・・・・・・・・p86
とりかえしのつかぬこと/二つの糸の結び目/後生の一大事/信前と信後のけじめ/入信の自覚/上海の富くじ/二度の往生/ 各自が御開山になる/血を吐いて死ぬ/算用あって銭足らず/自力が死にきる/常識を超えた世界/臨終の愛念/自体愛より境界愛へ/よい所に生まれたい
(6)魂の開眼・・・・・・・・・p112
仏教はなぜ難しい/貧・病・争/仏法は、魂の解決を教える/四夫人の話/まっ黒な魂/業魂の発見/業魂をどう見るか/人生は苦なり/ 求めよ、捨てよ、転ぜよ/孤独に触れよ/どこへ捨てるか/真剣に生き、真剣に求めよ/魂の宿がとれたか/仏法聞くための人生/ 鬼に目をむかす/業魂を救う会/仏様の業魂は、南無阿弥陀仏
(7)親指のふし・・・・・・・・・・p146
母と私との仏縁/ひとフシ足りぬ/骨格の生理を習う/国嶋療法/不退の信念を求める/『仏敵』との出会い/親指のフシ/父との仏縁/ 竜谷大学に入る/苦学の思い出/母の生活態度/華光会館の建設/母の骨折負傷/破傷風の苦しみ/同体の大悲/安養浄土への門出/肉親の縁をとおして
(8)六字の救い・・・・・・・・・・・p173
人生は求道の旅/その旅のはてに/おねがいだから、早くおいでよ/機法一体の南無阿弥陀仏/誓いのみ名/度しがたい自分/私の命をかける/ 仏さまの名のり/今、ここで/一声でことが済む/直入の機
(9)二つの関門・・・・・・・・・・・p193
二つのトンネル/第二の誕生/結婚の意義/卵を割って出る/生まれ変わりの体験/アメリカの求道青年/他力信心の問答/拝む心、信じる心/ 自己を知ることが/仏さまの内部工作/自己中心と自力心/死にともない/第二のトンネルの味/信心獲得にかぎる
(10)凡夫の求道・・・・・・・・・・p215
迷いのお練り/真剣だったつもり/K君の入信/暗がりでふるえている/お釈迦さまのお小言/二階から飛び降りる?/仏様はぼくにおった!/ 捨てるまねごと/智子さんの入信/直入と回心と/「お浄土から見ています」/私たちへの遺書/多くの犠牲/智子さんの遺書
(11)一歩出る・・・・・・・・・・・p240
予測不可能な出来事/病名がわからない/平生業成のお救い/若存若亡の信心/信心の合理化/イザというとき/素裸になる/吸血鬼は、私/妻の体験/ 治ってよし、治らんでよし/一歩出た世界
(12)時は命なり・・・・・・・・・p262
超高速時代/迷信の現実/時間に実体なし/一拳五指のたとえ/海印三昧の説法/念劫融即の極理/「時は金なり」の考え/諸行は無常なり/ 無我とはいっても/無常観と罪悪観の接点/相手の時間を殺す/十劫呼びづめ
(40代、女性、京都府) –
中学生でも読めた。高校のときも読んだ。大学生のときも読んだ。
T子さんの遺書に泣いた。
四夫人の話はちんぷんかんぷん。
ただのお話だと思っていた。
今。
ひとつひとつがこんなにわかりやすく書かれていたことに驚く。
いったい何を読んでいたのだろう。
はじめから、読み解く智慧などなかった。
戴きものだった。
(男性、京都府) –
「二度と取り返しがつかない。お願いだから早くおいでよ。」という言葉に胸がつまりました。 この私を仏とすることが阿弥陀様の本願なんだと知らされ喜ばずにはいられませんでした。
(50代、女性、三重県) –
体験でつづった法話集。
むつかしい法語を解説した法話ではなく、12話それぞれに仏様のお心があふれる。 第10話のT子さんの入信、遺書は「母」として泣かずにはおれない。